収入保障保険の選び方|遺族年金・団信から必要額を計算する方法【2026年版】

【2026年完全版】収入保障保険おすすめ比較・選び方ガイド|定期保険との違いも徹底解説 収入保障・就業不能
📋 監修・執筆:insure-check編集部(保険・金融の専門ライター集団)
最終更新:2026年8月 | 情報の正確性に努め、公的データ・金融庁資料に基づき作成

ご注意:本記事は一般的な情報提供を目的としています。特定の保険商品の加入を一律に推奨するものではありません。公的保障、勤務先制度、家計状況、預貯金を確認したうえで判断してください。

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収入保障保険を検討するとき、「月いくら必要か」という問いに答えるには、遺族がすでに受け取れる公的保障・勤務先保障・団信の額を先に確認する必要があります。この記事では、遺族基礎年金・遺族厚生年金・団信・配偶者収入を踏まえたうえで、毎月の不足額と必要な保険期間を判断するための考え方を解説します。

なお、収入保障保険が「そもそも必要か不要か」の判断については、収入保障保険はいらない?必要か不要かを判断する方法【2026年版】をあわせてご確認ください。

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結論:遺族の毎月の不足額と必要期間から決める

収入保障保険の必要保障額(毎月の受取額)は、次の考え方で算出します。

遺族の毎月の最低生活費(食費・光熱費・通信費・住居費等)
+ 教育費・家事育児代替費用などの追加支出
- 配偶者の手取り収入(就労が継続できる場合)
- 遺族基礎年金(月額換算)※日本年金機構で確認
- 遺族厚生年金(月額換算)※ねんきんネットで確認
- 勤務先の死亡退職金・弔慰金・団体保険(月割換算)
- 団信で消える住宅ローン返済額(該当する場合)
- 預貯金から毎月取り崩せる額(総額÷必要年数)
= 毎月の不足額 → これが必要保障額の目安

この不足額がプラスであれば収入保障保険を検討する意味があります。ゼロ以下であれば必ずしも加入は不要です。各項目の確認方法を以下のセクションで解説します。

収入保障保険と定期保険の違い

収入保障保険と定期保険はどちらも「死亡・高度障害になったときに保険金が支払われる」生命保険ですが、保険金の受取方法が異なります。

項目 収入保障保険 定期保険(一括払い)
保険金の受取方法毎月○万円(年金形式)一括○千万円
保障総額の変化残存期間とともに減少する保険期間中は常に一定
保険料水準条件により異なる(※)条件により異なる(※)
毎月の生活費補填年金形式のため家計管理しやすい一括受取のため自己管理が必要
住宅ローン一括返済不向き(一時金オプションがある商品もある)一括受取のため対応しやすい

※ 保険料の優劣は、契約年齢・性別・健康状態・保険期間・保障総額・割引条件をすべて揃えた上で比較しなければわかりません。「収入保障保険の方が必ず安い」とは一概に言えないため、同一条件で各社の見積もりを取って確認してください。

定期保険との詳細な比較は 収入保障保険と定期保険の違いは?子育て世帯の選び方 もご参照ください。

必要額を計算する前に確認する公的保障

遺族基礎年金(2026年度)

遺族基礎年金は、国民年金の被保険者(または老齢基礎年金の受給資格を満たした人)が死亡した場合に支給される年金です。

受給できる遺族:死亡した人に生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」に限られます。

「子」の要件:18歳到達年度末(3月31日)まで、または障害等級1・2級に該当する場合は20歳未満。

支給額の構造(年額):基礎額+子の加算額で構成されます。金額は毎年4月に改定されるため、最新の2026年度金額は日本年金機構の公式サイトでご確認ください。

受給できないケース:

  • 子がいない配偶者(子の要件を満たさない場合、遺族基礎年金は受給不可)
  • 保険料納付要件を満たさない場合(短期要件では原則、死亡日の前日において保険料納付済期間+免除期間が国民年金加入期間の3分の2以上必要です。ただし、死亡日が2036年3月末までで死亡した方が65歳未満の場合は、死亡日の前日において死亡月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければ特例を満たします。日本年金機構の受給要件で最新条件を確認してください)
  • 子が18歳到達年度末を超えた(障害認定なし)後に被保険者が死亡した場合

⚠️ 子がいない世帯では遺族基礎年金は受給できません。必要保障額の計算ではこの点を考慮してください。

遺族厚生年金

遺族厚生年金は、厚生年金保険の被保険者(会社員・公務員等)が死亡した場合に支給される年金です。

支給額の特徴:

  • 死亡した人の報酬比例部分(生涯の標準報酬月額・標準賞与額の平均)をもとに計算するため、人によって大きく異なります。一律の金額はありません。
  • 保険料納付期間が短い場合は、短期要件(300月=25年加入とみなす)が適用されることがあります。
  • 中高齢寡婦加算:遺族厚生年金を受ける妻が40歳以上65歳未満で、子のいない(または子が年金受給要件を外れた)場合に加算されることがあります。

自分の場合の遺族厚生年金見込み額は「ねんきんネット」(日本年金機構)で過去の加入記録をもとに試算できます。

⚠️ 自営業・フリーランスは厚生年金未加入のため、遺族厚生年金は受給できません。遺族基礎年金のみが対象となり、会社員と比べて公的保障が手薄になる点を考慮して必要保障額を設定する必要があります。

勤務先・共済・団体保険

公的年金以外にも以下の保障が上乗せされる場合があります。金額は勤務先・加入状況によって異なるため、人事・総務部門に確認するのが確実です。

  • 死亡退職金・弔慰金(勤続年数・就業規則による)
  • 勤務先が加入する団体生命保険(グループ保険)
  • 公務員・教職員の共済組合の遺族給付
  • 労災保険の遺族(補償)年金(業務上死亡の場合のみ)

団信と住宅費を確認する

住宅ローンがある場合、団体信用生命保険(団信)の保障内容を確認することが重要です。被保険者(ローン名義人)が死亡したときにローン残高が消えるかどうか、また保障対象の範囲は商品・金融機関によって異なります。

  • 一般団信:死亡・高度障害時にローン残高が消える(最も一般的な形態)
  • 疾病保障付き団信:がん・3大疾病・8大疾病など所定の状態でもローン残高が消える商品があります
  • ペアローン(夫婦それぞれが別々にローンを組む):一方が死亡しても、自分の持ち分のローンしか消えません。もう一方の返済は継続します
  • 連帯債務・連帯保証:団信の対象者・保障割合が金融機関・商品によって異なるため、契約書を確認してください
  • フラット35:団信は任意加入のため、未加入の場合はローン残高の保障がありません
  • 保障対象外条件:告知義務違反・特定の既往症・自殺などは保障対象外となる場合があります

団信によってローンが消える場合、毎月の返済額(住宅費相当)は遺族の支出から除外して計算できます。一方、団信対象外の借入がある場合はその返済額も必要保障額に加える必要があります。

毎月の必要保障額を計算する

以下はあくまで計算の流れを示す架空の例です。実際の必要保障額は家族構成・年齢・勤務先保障・住宅状況・貯蓄によって人それぞれ大きく異なります。

【架空の計算例】
設定:35歳会社員(被保険者)、配偶者(33歳・現在は育児中で就労一時中断)、子2人(5歳・2歳)、住宅ローンあり(一般団信加入済み)

項目月額(架空の設定値)確認方法
遺族の最低生活費(食費・光熱費・通信費等)(例)15万円家計から算出
+ 子の教育費・習い事・保育費(例)4万円家計・教育方針から試算
+ 家事育児代替費用(家事代行・学童等)(例)3万円地域の相場を確認
- 配偶者の就労収入見込み(数年後)(例)-0円(当面は困難と仮定)
- 遺族基礎年金(子2人・月換算)(例)-△A万円日本年金機構で確認
- 遺族厚生年金(月換算)(例)-△B万円ねんきんネットで試算
- 勤務先の団体保険・退職金(月換算)(例)-△C万円人事部に確認
- 団信で消えるローン返済額(例)-8万円ローン契約書を確認
- 預貯金から毎月取り崩せる額(例)-△D万円預貯金÷必要年数で試算
= 毎月の不足額(必要保障額)(22-A-B-C-D)万円

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A・B・C・Dの実数値を入れて初めて「いくら必要か」がわかります。公的年金の確認なしに固定の「月○万円が目安」という数字を鵜呑みにせず、ご自身の実数値で計算してください。

保険期間を決める方法

保険期間は「何歳まで保障が続くか」を指します。以下の要素を組み合わせて個別に判断します。

  • 末子が経済的に自立する年齢:高校・大学・専門学校への進学方針によって18〜25歳が目安。教育費がもっとも必要な時期をカバーする期間を設定します
  • 配偶者の就労見込み:子の就学後に就労が見込まれるなら、その時期以降は必要保障額が下がるため、保険期間を短くできる場合があります
  • 住宅ローンの完済時期:一般団信加入済みならローン分は不要。ただし団信の対象外となる借入がある場合は完済時期まで考慮します
  • 公的年金(老齢年金)の受給開始:65歳(繰下げの場合は最大75歳)から遺族自身の老齢年金が始まることを考慮できる場合があります
  • 商品の設定可能期間:多くは60歳・65歳満了が主流です。希望する期間が設定できる商品があるかを確認してください

最低支払保証期間を選ぶ方法

保険期間の残りがわずかな時期に被保険者が死亡すると、年金として受け取れる期間が短くなり、受取総額が少なくなります。これを補うのが最低支払保証期間です。

  • 2年保証:保険期間の残りが2年未満でも、最低2年分の保険金を受け取れます
  • 5年保証:最低5年分を保証します

保証期間が長いほど保険料は上がります。また、選択できる保証期間の種類は商品によって異なります(2年のみ・5年のみ・選択可など)。どちらが適切かは、家族構成・残りの必要期間・保険料の差額を総合して判断するものです。各社の公式資料(パンフレット・重要事項説明書)で条件を確認した上で選択してください。

健康体・非喫煙割引を確認する方法

多くの収入保障保険には、非喫煙者・健康体に対する保険料割引があります。ただし割引の条件・判定基準は商品・保険会社によって異なります。

  • 非喫煙の判定基準:「申告直前○年間喫煙していない」など、禁煙期間の定義が商品ごとに違います。喫煙経験がある場合は何年前まで遡って確認されるかを確認してください
  • 健康体割引の基準:血圧・BMI・健康診断数値など、商品によって基準が異なります
  • 確認方法:各保険会社の公式サイト・重要事項説明書、または担当者に直接確認することをお勧めします

割引額は商品・年齢・保障額によって変わるため、一律の数値は提示できません。必ず各社の見積もりで比較してください。

保険料を比較するときの条件

収入保障保険の保険料を比較する際は、以下の条件をすべて揃えた上で比較しなければ意味がありません。

  • 契約年齢・性別
  • 月額保険金額
  • 保険期間(満了年齢)
  • 最低支払保証期間(2年 / 5年)
  • 非喫煙・健康体割引の適用有無
  • 払込方法(月払い / 年払い)
  • 特約の有無(就業不能特約等)

本記事では保険料の具体的な金額を掲載していません。保険料は各保険会社の公式ウェブサイト、または認可を受けた保険代理店の見積もりツールで、ご自身の条件を入力して確認してください。

保険会社・商品を比較するときの確認項目

保険会社・商品を比較する際は、以下の項目を各社の公式サイト・契約概要・重要事項説明書・パンフレット(確認日を記録した上)で確認してください。正式商品名・公式根拠のない比較表のみで判断しないことが重要です。

  • 正式商品名と最新の保険料(いつ時点のものか確認日を記録する)
  • 保険期間・保険料払込期間の選択肢
  • 最低支払保証期間の選択肢(2年のみ / 5年のみ / 両方から選択可)
  • 一時金受取オプションの有無と受取条件・受取額の計算方法
  • 非喫煙・健康体割引の有無と判定基準・禁煙確認期間
  • 付加できる特約の種類(就業不能特約等)と保険料への影響
  • 告知内容(既往症・服薬状況・職業・危険業務等)
  • 財務健全性指標(ソルベンシー・マージン比率等)
  • 申込方法(ネット完結 / 対面 / 電話)と審査の流れ

複数社を中立的に比較したい場合は、独立系のファイナンシャルプランナーや保険代理店への相談も選択肢のひとつです(相談後に加入を強制されるものではありません)。

収入保障保険を年金形式で受け取る場合の税金

死亡保険金の税金は、被保険者・実際の保険料負担者・受取人が誰かで変わります。さらに年金形式で受け取る場合、年金受給権に相続税または贈与税がかかるケースでは、その後に受け取る年金額の全額をそのまま雑所得として課税するわけではありません。

国税庁は、相続・遺贈・贈与で取得した生命保険等の年金受給権について、実際に受け取る年金を非課税部分と課税部分に区分したうえで雑所得を計算すると案内しています。契約関係ごとの概要は次のとおりです。

保険料負担者被保険者受取人課税関係の概要
妻(相続人)年金受給権は相続税の対象。年金受取時の所得税は、相続税の対象となった部分との二重課税を避けるため、国税庁の方法で非課税部分と課税部分に分けて雑所得を計算します。
保険料負担者と受取人が同一のため所得税の対象。年金形式で受け取る場合は雑所得として計算しますが、課税所得の具体額は受取額だけでなく契約・保険料等に基づいて確認します。
年金受給権は贈与税の対象。年金受取時の所得税は、贈与税の対象となった部分との二重課税を避けるため、国税庁の方法で非課税部分と課税部分に分けて雑所得を計算します。

したがって「年金形式なら毎年の受取額すべてが一律に雑所得になる」とは整理できません。契約者名義ではなく実際の保険料負担者も確認し、個別の課税額は契約内容と受取方法に応じて判断する必要があります。

一次情報:国税庁「死亡保険金を受け取ったとき」国税庁「相続等により取得した年金受給権に係る生命保険契約等に基づく年金の課税関係」。実際の申告・税額判断は、最新の国税庁情報を確認し、必要に応じて税務署または税理士へ相談してください。

収入保障保険が不要になりやすいケース

以下の条件に当てはまる場合、収入保障保険を新たに加入しなくても遺族の生活が成り立つ可能性があります。ただし、個別の状況によって判断は異なります。

  • 扶養家族がいない:独身、または子がおらず配偶者も経済的に自立している場合
  • 公的保障で不足が生じない:遺族年金の受給額が遺族の必要生活費と同等以上になる場合(上記の計算式で確認)
  • 団信と配偶者収入で生活が維持できる:住宅ローンが団信で消え、配偶者の収入で残りの生活費を賄える場合
  • 勤務先の保障が十分:死亡退職金・団体保険が必要保障額を上回る場合
  • 預貯金・金融資産から取り崩しが可能:資産の総額と毎月の取り崩し可能額を計算した結果、不足期間をカバーできる場合(金額の基準は個人の生活費・必要年数による)
  • 子が経済的に独立済みで配偶者も自立:扶養義務を負う子がなく、配偶者が自らの収入・年金で生活できる場合

「不要かどうか」は冒頭の計算式(毎月の不足額)で確認することが最も確実です。詳しくは 収入保障保険はいらない?必要か不要かを判断する もご参照ください。

選び方チェックリスト

保険料の比較を始める前に、以下を確認してください。

  • ☐ 遺族の毎月の最低生活費を把握した
  • ☐ 遺族基礎年金の受給可否・構造を日本年金機構で確認した
  • ☐ 遺族厚生年金の見込み額をねんきんネットで試算した(会社員・公務員の場合)
  • ☐ 勤務先の死亡退職金・団体保険を人事部門に確認した
  • ☐ 団信の保障範囲(一般 / 疾病特約 / ペアローン等)を契約書で確認した
  • ☐ 毎月の不足額(必要保障額)を自分の実数値で計算した
  • ☐ 末子が独立するまでの期間(必要な保険期間)を設定した
  • ☐ 最低支払保証期間(2年 / 5年)の内容を各社公式資料で確認した
  • ☐ 非喫煙・健康体割引の判定基準を各社で確認した
  • ☐ 保険料の比較を同一条件で行った
  • ☐ 税金の取り扱いを国税庁または税務署で確認した
  • 就業不能保険との役割の違いを確認した(自営業・フリーランスは特に重要)
  • ☐ 既存の保険との重複・カニバリゼーションを確認した

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まとめ

収入保障保険の選び方は、次の流れで考えます。

  1. 公的保障を確認する:遺族基礎年金・遺族厚生年金を日本年金機構・ねんきんネットで確認
  2. 勤務先保障・団信を確認する:死亡退職金・団体保険・住宅ローンの保障範囲
  3. 毎月の不足額を計算する:不足額がゼロ以下であれば加入は必須ではない
  4. 必要な保険期間を決める:末子の独立・配偶者就労・年金受給開始を考慮
  5. 保険料を同一条件で比較する:各社公式サイトまたは見積もりサービスで確認
  6. 税金の取り扱いを確認する:契約者・保険料負担者・受取人の組み合わせにより課税が変わる

「月いくらが目安」という固定額は、家族構成・職業・勤務先保障・住宅状況・貯蓄額によって変わります。まずは冒頭の計算式でご自身の「不足額」を確認することが、適切な保障額を選ぶための第一歩です。

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