「学資保険はいらない」という意見が増える一方、住宅ローンを抱えながら子どもの教育資金を準備するのは多くの家庭の悩みです。
本記事では、住宅ローン世帯が学資保険と他の教育資金積み立て方法を比較しながら、払込免除特約の活用法も含めて最適な戦略を解説します。
学資保険の基本と「いらない」と言われる理由
学資保険は子どもの教育費を目的とした貯蓄型保険で、毎月保険料を払い込み、進学時に祝い金や満期保険金を受け取る仕組みです。
かつては返戻率が105〜110%と高く、貯蓄手段として人気がありましたが、低金利時代の現在は返戻率が100%を下回る元本割れ商品も存在します。
「いらない」とされる主な理由は、
- ①運用利回りが低く資産増加効果が薄い、
- ②途中解約すると元本割れする、
- ③インフレに対応できないなどです。
| 方法 | 想定利回り | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 学資保険 | 0〜1.5% | 払込免除特約・強制貯蓄 | 低利回り・途中解約リスク |
| つみたてNISA | 3〜7%(期待値) | 非課税・柔軟な引き出し | 元本保証なし |
| 定期預金 | 0.01〜0.1% | 元本保証・安心 | ほぼ増えない |
| ジュニアNISA(終了) | 3〜7%(期待値) | 非課税(2023年で終了) | 現在は新規受付なし |
住宅ローン世帯が学資保険を選ぶ理由:払込免除特約
住宅ローンを抱える世帯に学資保険が特に有効な理由の一つが「払込免除特約」です。
これは、契約者(多くの場合は父親)が死亡・高度障害になった際に、その後の保険料の支払いが免除される特約です。
住宅ローンには団体信用生命保険(団信)があるため、死亡時の住宅費用はカバーされます。
しかし、教育費は別途確保する必要があります。
学資保険の払込免除特約があれば、契約者に万一のことがあっても、子どもの進学時に教育資金を受け取れます。
特に自営業者・フリーランスの場合、会社員と異なり遺族厚生年金が少なく、収入保障が薄いため、払込免除特約付きの学資保険は意味を持ちます。
住宅ローン世帯の教育資金戦略
住宅ローン・子育て・老後資金を同時に備える必要がある世帯では、以下のような戦略が現実的です。
- ①死亡保障は学資保険ではなく定期保険で確保する:学資保険の払込免除は便利ですが、死亡保障としての金額は少額です。
子どもの養育費・住宅費全体を賄う死亡保障は、別途定期保険や収入保障保険で確保しましょう。
- ②教育資金の積み立てはつみたてNISAを優先する:投資リスクを許容できるなら、つみたてNISAで低コスト・高リターンを狙う方が効率的です。
毎月数万円を15〜18年運用できれば、大学進学費用(4年間で500〜1000万円)の準備は十分可能です。
- ③学資保険は「強制貯蓄機能」として活用する:自己管理が難しい場合や、元本保証の安心感を重視する場合は、少額でも学資保険を継続しつつ、つみたてNISAと併用する方法があります。
保険料を節約しながら必要な保障を確保する方法
保険を選ぶ際は「保険料の安さ」と「保障の手厚さ」のバランスが重要です。
まず家計で毎月無理なく払える保険料の上限を決め(手取り収入の5〜7%が目安)、その範囲内で必要な保障を最大化します。
保険料を抑える方法として、
- ①ネット専業の生命保険会社を利用する(対面型より20〜35%割安なケースが多い)、
- ②非喫煙者割引・健康体割引を活用する、
- ③不要な特約を外してシンプルなプランにする、
- ④複数の保険の重複(過剰保険)を整理する、といった方法があります。
一括比較サービスで現在の保険と他社プランを比較することで、同等の保障をより安く実現できることがあります。
加入前に確認すべき公的保障の活用
民間保険を検討する前に、公的保障制度の活用状況を確認することが重要です。
会社員・公務員であれば、
- ①健康保険の高額療養費制度(月の医療費自己負担に上限あり)、
- ②傷病手当金(病気・ケガで休業時に最長1年6ヶ月、標準報酬の2/3を支給)、
- ③遺族厚生年金(死亡時に遺族が受け取れる年金)、
- ④介護保険(40歳以上が対象の公的介護給付)があります。
これらでカバーできる範囲を把握したうえで「カバーできない部分」を民間保険で補う設計が合理的です。
公的保障が手厚い会社員・共働き世帯では、必要な民間保険の金額が自営業者より少なくなるケースが多いです。
保険の見直しで家計を最適化する:共働き世帯のチェックリスト
保険の見直しでは、以下のチェックリストを活用しましょう。
- ①現在加入している保険の一覧を作成し、保険料・保障内容・満期を整理する。
- ②各保険が「誰の・何のリスク」に対応しているかを確認し、重複や漏れを把握する。
- ③ライフステージの変化(出産・住宅購入・子どもの独立)で必要な保障が変わっていないか確認する。
- ④同等の保障が他社でより安く得られないか、一括比較サービスで確認する。
- ⑤解約や切り替えを検討する場合、「解約返戻金の有無」「新規加入時の健康告知」「保険料の変化」を事前に確認する。
保険料の節約額が月3,000〜5,000円でも年間3.6〜6万円、10年で36〜60万円の差になります。
定期的な見直しは家計改善の重要な一手です。
共働き世帯が陥りやすい「保険の罠」4選
共働き世帯が保険選びで陥りやすい失敗パターンを4つ紹介します。
- ①夫だけに保険をかける:妻もフルタイム就労の場合、妻の収入喪失リスクも同様に考慮が必要です。
- ②貯蓄型保険の過剰加入:終身保険・養老保険は保険料が高く資産形成効率が低いケースがあります。
NISAやiDeCoと比較検討しましょう。 - ③特約の積み重ね:主契約に多数の特約を付加すると保険料が膨らみます。
必要な保障を単体の保険でシンプルに揃える方が割安なことがあります。 - ④更新型保険の保険料上昇を見落とす:10年更新型保険は更新時に保険料が大幅に上昇します。
長期で見ると割高になりがちです。
これらの罠を避けるため、加入前に複数社の比較と専門家への相談を組み合わせることをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q1. 住宅ローンを借りている間に学資保険も加入するのは保険料が二重になりませんか?
A. 住宅ローンの団信は住宅費用のみカバーし、教育費は対象外です。
学資保険(または教育費用の積み立て)は別途必要です。
ただし、学資保険・住宅ローン・生命保険・老後資金を全て並行して準備するのは家計に重い負担です。
優先順位をつけ、特に重要な保障から手をつけましょう。
Q2. 学資保険に加入せず、教育費を貯金・投資で賄う場合、リスクはありますか?
A. 最大のリスクは「親に万一のことがあった場合」です。
生命保険(定期保険・収入保障保険)で死亡時の収入減少を補い、遺族が教育費を賄える保障を確保することが前提です。
その上で教育資金は投資で育てる方が効率的です。
Q3. 学資保険の返戻率はどのくらいあれば「良い」と言えますか?
A. 一般的に返戻率105%以上であれば、定期預金より有利な場合が多いです。
ただし、同期間をつみたてNISAで運用した場合(期待値3〜5%)と比較すると、学資保険の105%は見劣りします。
リスク許容度と「強制貯蓄」の必要性を総合的に判断しましょう。
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学資保険を検討する前に知っておきたい疑問
学資保険の返戻率の目安はどれくらいですか?
現在の主流は105〜108%程度です。返戻率が高いほどお得ですが、払込期間・受取タイミング・保険会社によって異なります。早期加入(子ども0〜3歳)ほど有利になります。
学資保険とNISA(ジュニアNISA)はどちらがいいですか?
元本保証と確実な教育費準備なら学資保険、運用益を狙うならNISAが向いています。リスクを取れるなら新NISA(つみたて投資枠)、確実性を重視するなら学資保険の組み合わせが現実的です。
学資保険は何歳から始めるのがベストですか?
子どもが生まれてすぐ(0歳)が最も保険料が安く、返戻率も高い傾向があります。遅くとも小学校入学前(6歳)までに加入することで、教育費のピーク(高校・大学入学時)に備えられます。
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この記事を書いた人
三上 はるか
FP(2級ファイナンシャルプランニング技能士)・保険ライター
2級FP技能士資格保有。共働き世帯・子育て世帯の保険見直しを専門に、医療保険・がん保険・生命保険・収入保障保険の情報を10年以上発信。
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