「保険料が家計の負担になってきた」「本当に必要な保険か疑問になってきた」という理由で保険の解約を検討する方は多いです。
しかし、解約のタイミングや方法を間違えると損をしたり、必要な保障を失うリスクがあります。
本記事では、保険を解約すべき判断基準と、損しないための注意点を解説します。
保険を解約してよいケース・解約すべきでないケース
✅ 解約を検討してよいケース
- 住宅ローン完済・団信加入で死亡保障が重複している
- 子どもが独立して扶養家族がいなくなった
- 貯蓄が十分に増えて医療保険が不要になった
- 保険料の払い過ぎで家計を圧迫している
- 同等の保障がより安い保険で見つかった
❌ 解約すべきでないケース
- 健康状態が悪化しており、解約後に再加入できない可能性がある
- 貯蓄型保険を加入初期に解約(元本割れになる)
- 子どもが小さく死亡保障が必要な時期
- 住宅ローン返済中で団信では不十分な場合
- 就業不能・介護リスクが高まっている年代
解約時に損しないための5つのポイント
① 新しい保険に加入してから解約する(順序が最重要)
絶対に守るべきルールです。
先に古い保険を解約してから新しい保険を探すと、加入審査の間に無保険期間が生じます。
健康状態が変わっている場合は新しい保険に加入できないこともあります。
必ず「新保険加入→旧保険解約」の順番で行いましょう。
② 解約返戻金の確認(貯蓄型保険の場合)
終身保険・養老保険・個人年金など貯蓄型の保険を解約する場合は、解約返戻金を必ず確認しましょう。
加入後10年未満の解約は元本(払込保険料の合計)を下回る可能性が高く、損になります。
終身保険の解約返戻率の目安(保険料払込期間:60歳払済の場合)
| 経過年数 | 解約返戻率の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 5年以内 | 50〜70% | 払込保険料を大きく下回る。解約は損大 |
| 10年 | 70〜85% | 元本割れが続く。できれば継続を |
| 20年 | 85〜100% | 元本前後。払済保険への変更も検討 |
| 払込満了後 | 100%以上 | 元本超え。解約のベストタイミング |
③ 払済保険・延長保険への変更を検討する
保険料の支払いが苦しくなった場合、「解約」以外の選択肢として「払済保険」や「延長定期保険」への変更があります。
払済保険に変更すると以降の保険料支払いが不要になり(保険金額は下がる)、解約よりも多くの返戻金を受け取れることがあります。
④ 自動振替貸付制度を活用する
一時的に保険料が払えない場合、解約せずに「自動振替貸付」を利用する方法があります。
これは保険会社が解約返戻金の範囲内で保険料を立替えてくれる制度で、後から返済することで保障を継続できます。
⑤ 生命保険料控除の喪失に注意
保険を解約すると、その保険に関わる生命保険料控除が受けられなくなります。
年末に解約する場合は、その年の保険料控除が使えるかどうか確認しておきましょう。
保険料を節約しながら必要な保障を確保する方法
保険を選ぶ際は「保険料の安さ」と「保障の手厚さ」のバランスが重要です。
まず自分の家計で毎月無理なく払える保険料の上限を決め(手取り収入の5〜7%が目安)、その範囲内で必要な保障を最大化する商品を選びます。
保険料を抑える方法として、
- ①ネット専業の生命保険会社を利用する(対面型より20〜35%割安のケースが多い)、
- ②非喫煙者割引を活用する、
- ③健康体割引(BMI・血圧等の条件を満たす場合)を活用する、
- ④不要な特約を外してシンプルなプランにする、といった方法があります。
また、複数の保険を重複して加入している「過剰保険」の見直しも重要です。
一括比較サービスで現在の保険と他社プランを比較することで、同等の保障をより安く実現できることがあります。
保険加入前に確認すべき公的保障の活用
民間保険を検討する前に、公的保障制度の活用状況を確認することが重要です。
会社員・公務員であれば、
- ①健康保険の高額療養費制度(月の医療費自己負担に上限あり)、
- ②傷病手当金(病気・ケガで休業時に最長1年6ヶ月、標準報酬の2/3を支給)、
- ③遺族厚生年金(死亡時に遺族が受け取れる年金)、
- ④介護保険(40歳以上が対象の公的介護給付)といった制度があります。
これらの制度でカバーできる範囲を把握したうえで、「カバーできない部分」を民間保険で補う設計が合理的です。
公的保障が手厚い会社員世帯では、自営業者に比べて民間保険の必要額が少なくなるケースが多いです。
保険の見直しで家計を最適化する:共働き世帯のチェックリスト
保険の見直しでは、以下のチェックリストを活用しましょう。
- ①現在加入している保険の一覧を作成し、保険料・保障内容・満期を整理する。
- ②各保険が「誰の・何のリスク」に対応しているかを確認し、重複や漏れを把握する。
- ③ライフステージの変化(出産・住宅購入・子どもの独立)で必要な保障が変わっていないか確認する。
- ④同等の保障が他社でより安く得られないか、一括比較サービスで確認する。
- ⑤解約や切り替えを検討する場合、「解約返戻金の有無」「新規加入時の健康告知」「保険料の変化」を事前に確認する。
保険料の節約額が月3,000〜5,000円でも年間3.6〜6万円、10年で36〜60万円の差になります。
定期的な見直しは家計改善の重要な一手です。
共働き世帯が陥りやすい「保険の罠」4選
共働き世帯が保険選びで陥りやすい失敗パターンを4つ紹介します。
- ①夫だけに保険をかける:妻もフルタイム就労の場合、妻の収入喪失リスクも同様に考慮が必要です。
- ②貯蓄型保険の過剰加入:終身保険・養老保険は保険料が高く資産形成効率が低いケースがあります。
NISAやiDeCoと比較検討しましょう。 - ③特約の積み重ね:主契約に多数の特約を付加すると保険料が膨らみます。
必要な保障を単体の保険でシンプルに揃える方が割安なことがあります。 - ④更新型保険の保険料上昇を見落とす:10年更新型保険は更新時に保険料が大幅に上昇します。
長期で見ると割高になりがちです。
これらの罠を避けるため、加入前に複数社の比較と専門家への相談を組み合わせることをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q1. 保険を解約すると解約返戻金はいつ受け取れますか?
解約の手続きが完了してから通常1〜2週間程度で指定口座に振り込まれます。
手続きは保険会社のコールセンターや担当者に連絡することから始めましょう。
Q2. 保険を解約すると税金はかかりますか?
解約返戻金が払込保険料の総額を超えた場合、超えた分は一時所得として所得税の対象となります。
ただし一時所得には50万円の特別控除があるため、超過分が50万円以内なら税金はかかりません。
Q3. 保険の「減額」は解約と違いますか?
保険の「減額」は保険金額を下げることで保険料を安くし、保障を継続する方法です。
解約のように保障がなくなるわけではないため、「保障は残したいが保険料を下げたい」場合には減額が有効な選択肢です。
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保険を検討する前に知っておきたい疑問
保険を選ぶ際に最初に確認すべきことは何ですか?
まず「誰のために・何のために・いくら必要か」を明確にしましょう。保険は目的別に設計するものです。死亡保障・医療保障・老後資金など目的を整理した上で、必要な保障額を計算することが重要です。
保険の見直しはどのタイミングで行うべきですか?
結婚・出産・住宅購入・子どもの独立・定年退職など、ライフイベントの変化時が見直しの好機です。一般的に3〜5年ごとの定期見直しをFPは推奨しています。
保険料が家計を圧迫している場合どうすればいいですか?
まず現在の保障内容を整理し、重複している保障・不要な特約を外すことで保険料を下げられます。公的保険(健康保険・雇用保険・労災)でカバーされる範囲を把握し、民間保険との役割分担を明確にしましょう。
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この記事を書いた人
三上 はるか
FP(2級ファイナンシャルプランニング技能士)・保険ライター
2級FP技能士資格保有。共働き世帯・子育て世帯の保険見直しを専門に、医療保険・がん保険・生命保険・収入保障保険の情報を10年以上発信。
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