収入保障保険は「保険料が安く大きな保障が得られる」として人気ですが、仕組みをよく理解しないまま加入すると損をするリスクがあります。
加入前に知っておくべきデメリットと注意点を5つに絞って解説します。
収入保障保険の基本的な仕組み
収入保障保険は、被保険者が死亡または高度障害になった場合に、保険期間終了まで毎月一定額(例:月10万円)が支払われる保険です。
一括払いではなく毎月分割で受け取る形式のため、同じ月額保険料で大きな死亡保障を確保できるのが最大のメリットです。
収入保障保険の5つのデメリット
| # | デメリット | 詳細 |
|---|---|---|
| ① | 保険期間が終わるほど受け取り総額が減少する | 50歳で死亡した場合と55歳で死亡した場合では受取総額が異なる(逓減型) |
| ② | 一括受取ができない(または金利が引かれる) | 一時金として一括で受け取る場合は現在価値への割引が生じる |
| ③ | 保険期間が終了すると保障がゼロになる | 掛け捨てのため、保険期間終了後は死亡しても保険金が出ない |
| ④ | 最低保証期間の設定が必要 | 保険期間満了直前に死亡した場合、受取額が極めて少なくなる可能性がある |
| ⑤ | 受け取り方で税金が変わる | 年金形式での受取は雑所得、一括は一時所得として課税される |
収入保障保険のメリットも把握する
- 保険料が安い:同じ死亡保障額でも定期保険・終身保険より大幅に安い
- 遺族の生活費に合った受取方式:毎月の受け取りが遺族の生活費補填に自然にマッチする
- 子育て世帯に最適:必要な保障期間(子どもが独立するまで)に特化できる
収入保障保険が向いている人・向いていない人
✅ 向いている人
- 子育て中で手厚い死亡保障を安く確保したい
- 60〜65歳まで一定の死亡保障が必要
- 毎月の保険料負担を抑えたい
❌ 向いていない人
- 死亡保険金を一括で受け取りたい(相続対策・一時的な大きな資金需要)
- 一生涯の保障が必要
- 解約返戻金がある貯蓄型保険が希望
よくある質問(FAQ)
Q. 収入保障保険の最低保証期間とは何ですか?
A. 保険期間終了直前に死亡した場合でも最低限の期間(2〜5年等)分は給付金を受け取れる設定です。
例えば最低保証期間2年で保険期間残1ヶ月時点で死亡した場合、最低2年分の給付金を受け取れます。
保険期間満了近くでのリスクをカバーします。
Q. 収入保障保険の受取額はどのくらいに設定すれば良いですか?
A. 遺族が生活するために必要な月額から、遺族年金・配偶者の収入を差し引いた不足分を設定するのが基本です。
一般的には月10〜20万円が多いですが、住宅ローンの有無・子どもの人数・生活レベルによって異なります。
FPへの相談で正確な必要額を計算してもらうことをおすすめします。
Q. 収入保障保険は解約できますか?解約返戻金はありますか?
A. 解約は可能ですが、解約返戻金はほとんどの場合ゼロまたは極めて少額です。
掛け捨て型のため、払い込んだ保険料は原則として戻りません。
保険期間終了まで継続することが前提の保険です。
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収入保障保険を検討する前に知っておきたい疑問
収入保障保険の保険料相場はいくらですか?
30代男性・月額10万円・60歳満了で月額1,500〜3,000円程度が目安です。非喫煙割引を利用すると20〜30%程度安くなります。複数社を比較して最安値を確認しましょう。
収入保障保険と定期保険はどう違いますか?
収入保障保険は保険金が毎月の給付金として支払われ、経過とともに総受取額が減少します。一方、定期保険は死亡時に一括で受け取ります。収入保障保険は遺族の生活費を補う用途に向いています。
収入保障保険はいつから加入するのがベストですか?
子どもが生まれたタイミング、または住宅ローンを組む際が加入の好機です。若いうちほど保険料が安く、長期間の保障が得られます。20〜30代での加入が最もコスパが高いとされています。
収入保障保険の保険料相場と選び方
収入保障保険の保険料は年齢・性別・保険期間・保障月額・喫煙歴によって決まります。
35歳男性・月額15万円・60歳満了の場合、月払保険料は2,000〜3,500円が相場です。
選ぶ際のポイントは4つあります。
- ①保険期間:子どもが独立する時期または定年(60〜65歳)に合わせる。
- ②最低保証期間:加入直後に万一があっても一定期間の給付を確保できる商品を選ぶ。
- ③就業不能特約:死亡だけでなく長期就業不能でも給付が受けられるか確認する。
- ④非喫煙者割引:禁煙者は20〜30%の割引が受けられるプランも多い。
複数社の見積もりを一括比較サービスで取得するのが最も効率的です。
必要保障額の計算方法:遺族年金との組み合わせ
収入保障保険の必要保障額は「遺族年金を差し引いた毎月の不足額」から逆算します。
計算式:必要保障月額 = 月の生活費 − 配偶者収入 − 遺族年金受給額。
例えば月の生活費28万円・配偶者パート収入8万円・遺族厚生年金11万円なら不足は月9万円。
子どもが独立するまで15年なら総必要保障額は1,620万円です。
収入保障保険で月9〜10万円を60歳満了で設定すれば月1,500〜2,500円程度で実現できます。
一時金型生命保険で1,620万円を確保するより大幅に保険料が安くなります。
収入保障保険を活用した「家族を守る設計」の実例
収入保障保険の活用例として、35歳・年収600万円の会社員(妻・子1人)のケースを見てみましょう。
月の生活費28万円・住宅ローン月12万円(団信加入済み)・妻パート収入月8万円・遺族厚生年金月11万円の場合:万一の際の収入は月19万円、支出(ローン消滅後)は月16万円で月3万円のプラスになります。
この世帯では収入保障保険なしでも家計は維持できますが、教育費ピーク(中学〜大学)には月5〜10万円の追加支出が見込まれるため、月10万円・15年間の保障を月2,200円で追加することが推奨されます。
一方、同じ35歳でも住宅ローンなし・賃貸(月15万円)の場合は毎月の収支が大幅に悪化するため、月15〜20万円の収入保障保険が必要です。
このように世帯の状況によって必要保障額は大きく異なります。
収入保障保険の注意点:申告内容と告知の重要性
収入保障保険に加入する際は、健康告知・職業告知が必要です。
告知義務違反があると、万一の際に保険金が支払われない「告知義務違反による解除」が生じるリスクがあります。
主な告知事項は、
- ①過去5年以内の入院・手術歴、
- ②現在治療中・服薬中の病気、
- ③身長・体重(BMI)、
- ④職業(危険な職業は割増保険料や加入制限がある場合も)、の4点です。
持病がある方は「引受基準緩和型(限定告知型)」の収入保障保険を扱う保険会社もあります。
ただし通常の収入保障保険より保険料は割高になります。
まずは健康な状態で複数社を比較し、自分に合った商品を見つけることが大切です。
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この記事を書いた人
三上 はるか
FP(2級ファイナンシャルプランニング技能士)・保険ライター
2級FP技能士資格保有。共働き世帯・子育て世帯の保険見直しを専門に、医療保険・がん保険・生命保険・収入保障保険の情報を10年以上発信。
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