フリーランス・自営業者は会社員と違い、「傷病手当金がない」「有給休暇がない」「退職金がない」という三重苦があります。
病気やケガで働けなくなった場合、収入は即ゼロになります。
本記事では、フリーランス・自営業者が優先して入るべき保険5つを、必要性の高い順に解説します。
フリーランス・自営業者が特に注意すべき公的保障の空白
会社員の公的保障
- ✅ 傷病手当金(最長18ヶ月)
- ✅ 雇用保険(失業給付)
- ✅ 厚生年金(老齢・障害・遺族)
- ✅ 会社の団体保険
フリーランスの公的保障
- ❌ 傷病手当金なし
- ❌ 雇用保険なし
- ⚠️ 国民年金のみ(厚生年金より少ない)
- ❌ 団体保険なし
フリーランスが優先して入るべき保険5選
優先① 就業不能保険・所得補償保険(最重要)
フリーランスにとって最も必要性が高い保険です。
病気・ケガで働けなくなった場合の収入ゼロリスクをカバーします。
就業不能保険は月額10〜30万円の給付金が受け取れます。
フリーランス特有の「完全就業不能でないと給付されない」条件に注意し、一部就労でも給付される商品を選びましょう。
優先② 医療保険(掛け捨て型)
入院・手術時の治療費を補填する医療保険は必須です。
フリーランスは入院すると収入が途絶えるため、入院給付金に加えて「入院一時金」がある商品がおすすめです。
月2,000〜4,000円で十分な保障が確保できます。
優先③ がん保険
がんは長期療養になることが多く、フリーランスには特に深刻です。
診断一時金100〜200万円のがん保険があれば、仕事を休んでいる間の生活費を確保できます。
抗がん剤・通院治療もカバーされる商品が安心です。
優先④ 死亡保険(扶養家族がいる場合)
フリーランスが亡くなった場合、遺族は遺族基礎年金(国民年金部分のみ)しか受け取れません。
会社員より遺族年金が少ないため、死亡保険での備えが重要です。
扶養家族(配偶者・子ども)がいる場合は収入保障保険に加入しましょう。
優先⑤ 老後の備え:iDeCo(個人型確定拠出年金)
厳密には保険ではありませんが、フリーランスの老後保障として最重要です。
国民年金だけでは老後の収入が不足するため、iDeCoで毎月68,000円まで積立でき、全額所得控除の節税効果もあります。
個人年金保険との併用も検討しましょう。
フリーランス(35歳)の保険料目安
| 保険の種類 | 月額保険料目安 | 必要度 |
|---|---|---|
| 就業不能保険(月額20万円給付) | 5,000〜10,000円 | ★★★ |
| 医療保険(入院日額5,000円) | 2,500〜4,000円 | ★★★ |
| がん保険(診断一時金100万円) | 1,500〜3,000円 | ★★★ |
| 収入保障保険(月額20万円) | 2,500〜5,000円 | ★★☆ |
| 合計目安 | 11,500〜22,000円 | — |
保険料を節約しながら必要な保障を確保する方法
保険を選ぶ際は「保険料の安さ」と「保障の手厚さ」のバランスが重要です。
まず自分の家計で毎月無理なく払える保険料の上限を決め(手取り収入の5〜7%が目安)、その範囲内で必要な保障を最大化する商品を選びます。
保険料を抑える方法として、
- ①ネット専業の生命保険会社を利用する(対面型より20〜35%割安のケースが多い)、
- ②非喫煙者割引を活用する、
- ③健康体割引(BMI・血圧等の条件を満たす場合)を活用する、
- ④不要な特約を外してシンプルなプランにする、といった方法があります。
また、複数の保険を重複して加入している「過剰保険」の見直しも重要です。
一括比較サービスで現在の保険と他社プランを比較することで、同等の保障をより安く実現できることがあります。
保険加入前に確認すべき公的保障の活用
民間保険を検討する前に、公的保障制度の活用状況を確認することが重要です。
会社員・公務員であれば、
- ①健康保険の高額療養費制度(月の医療費自己負担に上限あり)、
- ②傷病手当金(病気・ケガで休業時に最長1年6ヶ月、標準報酬の2/3を支給)、
- ③遺族厚生年金(死亡時に遺族が受け取れる年金)、
- ④介護保険(40歳以上が対象の公的介護給付)といった制度があります。
これらの制度でカバーできる範囲を把握したうえで、「カバーできない部分」を民間保険で補う設計が合理的です。
公的保障が手厚い会社員世帯では、自営業者に比べて民間保険の必要額が少なくなるケースが多いです。
保険の見直しで家計を最適化する:共働き世帯のチェックリスト
保険の見直しでは、以下のチェックリストを活用しましょう。
- ①現在加入している保険の一覧を作成し、保険料・保障内容・満期を整理する。
- ②各保険が「誰の・何のリスク」に対応しているかを確認し、重複や漏れを把握する。
- ③ライフステージの変化(出産・住宅購入・子どもの独立)で必要な保障が変わっていないか確認する。
- ④同等の保障が他社でより安く得られないか、一括比較サービスで確認する。
- ⑤解約や切り替えを検討する場合、「解約返戻金の有無」「新規加入時の健康告知」「保険料の変化」を事前に確認する。
保険料の節約額が月3,000〜5,000円でも年間3.6〜6万円、10年で36〜60万円の差になります。
定期的な見直しは家計改善の重要な一手です。
共働き世帯が陥りやすい「保険の罠」4選
共働き世帯が保険選びで陥りやすい失敗パターンを4つ紹介します。
- ①夫だけに保険をかける:妻もフルタイム就労の場合、妻の収入喪失リスクも同様に考慮が必要です。
- ②貯蓄型保険の過剰加入:終身保険・養老保険は保険料が高く資産形成効率が低いケースがあります。
NISAやiDeCoと比較検討しましょう。 - ③特約の積み重ね:主契約に多数の特約を付加すると保険料が膨らみます。
必要な保障を単体の保険でシンプルに揃える方が割安なことがあります。 - ④更新型保険の保険料上昇を見落とす:10年更新型保険は更新時に保険料が大幅に上昇します。
長期で見ると割高になりがちです。
これらの罠を避けるため、加入前に複数社の比較と専門家への相談を組み合わせることをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q1. フリーランスは国民健康保険に加入しているから医療保険は不要では?
国民健康保険で医療費の3割負担はカバーされますが、入院中の収入ゼロ・差額ベッド代・食事代・仕事ができない間の固定費は補填されません。
フリーランスには医療保険+就業不能保険の両方が必要です。
Q2. フリーランスでも生命保険料控除は使えますか?
はい、確定申告で生命保険料控除を申告できます。
会社員の年末調整と同様に、3区分(一般・介護医療・個人年金)それぞれで最大4万円の控除が受けられます。
Q3. 個人事業主は小規模企業共済も活用すべきですか?
はい、小規模企業共済は個人事業主・フリーランスの退職金制度に相当します。
掛金は全額所得控除になり、受取時も税制優遇があります。
月1,000〜70,000円で積み立て可能で、iDeCoと並んで優先的に活用を検討すべき制度です。
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保険を検討する前に知っておきたい疑問
保険を選ぶ際に最初に確認すべきことは何ですか?
まず「誰のために・何のために・いくら必要か」を明確にしましょう。保険は目的別に設計するものです。死亡保障・医療保障・老後資金など目的を整理した上で、必要な保障額を計算することが重要です。
保険の見直しはどのタイミングで行うべきですか?
結婚・出産・住宅購入・子どもの独立・定年退職など、ライフイベントの変化時が見直しの好機です。一般的に3〜5年ごとの定期見直しをFPは推奨しています。
保険料が家計を圧迫している場合どうすればいいですか?
まず現在の保障内容を整理し、重複している保障・不要な特約を外すことで保険料を下げられます。公的保険(健康保険・雇用保険・労災)でカバーされる範囲を把握し、民間保険との役割分担を明確にしましょう。
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この記事を書いた人
三上 はるか
FP(2級ファイナンシャルプランニング技能士)・保険ライター
2級FP技能士資格保有。共働き世帯・子育て世帯の保険見直しを専門に、医療保険・がん保険・生命保険・収入保障保険の情報を10年以上発信。
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