「共働きだから生命保険はいらないのでは?」という声が増えています。
確かに、夫婦ともに収入がある場合、片方が亡くなっても世帯収入はゼロにはなりません。
しかし、子育て中は保障が特に必要な時期でもあります。
本記事では、子育て中の共働き世帯が保障を見直す際の基準と、必要保障額の計算方法を具体的に解説します。
共働き世帯でも生命保険が必要な理由
共働き世帯でも以下の理由から、生命保険の必要性は十分にあります。
- ①子どもの養育費・教育費の確保:子どもが成人するまでの養育費(食費・衣類・習い事・学費など)は、幼稚園から大学まで合計で1,000〜2,000万円以上かかります。
片方の親が亡くなった場合、この費用をシングルインカムで賄う必要が生じます。
- ②家事・育児の負担増:共働きが前提の生活では、両親が揃って家事・育児を分担することが多いです。
片方が亡くなった場合、残された親はワンオペ育児・家事・仕事を一人でこなすことになり、場合によっては育児負担のため就業時間を減らさざるを得ないケースもあります。
- ③住宅ローンの負担:共働き前提でペアローンを組んでいる場合、片方の団信は加入者本人の分しか消えません。
残ったローンを一人で返済し続けながら子育てをする必要があります。
必要保障額の計算方法
必要保障額は「万一の場合に残された家族が必要とする金額」から「すでに持っている資産・公的保障」を引いたものです。
| 項目 | 金額目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 【必要額】遺族の生活費 | 月20万円×20年=4,800万円 | 子どもが独立するまで |
| 【必要額】子どもの教育費 | 1,500万円 | 幼稚園〜大学 |
| 【補填】遺族厚生年金 | △ 月10万円×20年=2,400万円 | 会社員の場合 |
| 【補填】配偶者の収入 | △ 月25万円×20年=6,000万円 | 共働きの強み |
| 【補填】現在の貯蓄 | △ 500万円 | 緊急資金 |
| 必要保障額(概算) | △ 1,400万円 | 家庭によって大きく異なる |
子育て世代に適した保険の種類
収入保障保険(最もコスパが高い):死亡した月から毎月一定額が支払われる保険で、残された家族の生活費として機能します。
保険料が安く、子育て世帯に最もコスパが良い選択肢の一つです。
定期保険:一定期間(例:子どもが成人するまで)の死亡保障に特化した保険です。
同じ保障額でも終身保険より大幅に安く、子育て期間に絞って手厚い保障を得られます。
共働き世帯の注意点:夫だけでなく、妻(母親)にも死亡保険が必要です。
母親が亡くなった場合、家事・育児の代替コスト(ベビーシッター・家政婦など)や父親の就業調整による収入減少を考慮しましょう。
保険料を節約しながら必要な保障を確保する方法
保険を選ぶ際は「保険料の安さ」と「保障の手厚さ」のバランスが重要です。
まず家計で毎月無理なく払える保険料の上限を決め(手取り収入の5〜7%が目安)、その範囲内で必要な保障を最大化します。
保険料を抑える方法として、
- ①ネット専業の生命保険会社を利用する(対面型より20〜35%割安なケースが多い)、
- ②非喫煙者割引・健康体割引を活用する、
- ③不要な特約を外してシンプルなプランにする、
- ④複数の保険の重複(過剰保険)を整理する、といった方法があります。
一括比較サービスで現在の保険と他社プランを比較することで、同等の保障をより安く実現できることがあります。
加入前に確認すべき公的保障の活用
民間保険を検討する前に、公的保障制度の活用状況を確認することが重要です。
会社員・公務員であれば、
- ①健康保険の高額療養費制度(月の医療費自己負担に上限あり)、
- ②傷病手当金(病気・ケガで休業時に最長1年6ヶ月、標準報酬の2/3を支給)、
- ③遺族厚生年金(死亡時に遺族が受け取れる年金)、
- ④介護保険(40歳以上が対象の公的介護給付)があります。
これらでカバーできる範囲を把握したうえで「カバーできない部分」を民間保険で補う設計が合理的です。
公的保障が手厚い会社員・共働き世帯では、必要な民間保険の金額が自営業者より少なくなるケースが多いです。
保険の見直しで家計を最適化する:共働き世帯のチェックリスト
保険の見直しでは、以下のチェックリストを活用しましょう。
- ①現在加入している保険の一覧を作成し、保険料・保障内容・満期を整理する。
- ②各保険が「誰の・何のリスク」に対応しているかを確認し、重複や漏れを把握する。
- ③ライフステージの変化(出産・住宅購入・子どもの独立)で必要な保障が変わっていないか確認する。
- ④同等の保障が他社でより安く得られないか、一括比較サービスで確認する。
- ⑤解約や切り替えを検討する場合、「解約返戻金の有無」「新規加入時の健康告知」「保険料の変化」を事前に確認する。
保険料の節約額が月3,000〜5,000円でも年間3.6〜6万円、10年で36〜60万円の差になります。
定期的な見直しは家計改善の重要な一手です。
共働き世帯が陥りやすい「保険の罠」4選
共働き世帯が保険選びで陥りやすい失敗パターンを4つ紹介します。
- ①夫だけに保険をかける:妻もフルタイム就労の場合、妻の収入喪失リスクも同様に考慮が必要です。
- ②貯蓄型保険の過剰加入:終身保険・養老保険は保険料が高く資産形成効率が低いケースがあります。
NISAやiDeCoと比較検討しましょう。 - ③特約の積み重ね:主契約に多数の特約を付加すると保険料が膨らみます。
必要な保障を単体の保険でシンプルに揃える方が割安なことがあります。 - ④更新型保険の保険料上昇を見落とす:10年更新型保険は更新時に保険料が大幅に上昇します。
長期で見ると割高になりがちです。
これらの罠を避けるため、加入前に複数社の比較と専門家への相談を組み合わせることをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q1. 共働きなら夫婦どちらかの生命保険は不要ですか?
A. 一般的に、共働きでも両者に一定の死亡保障が必要です。
ただし、収入差がある場合は収入が多い方の保障を手厚くし、収入が少ない方は最低限(葬儀費用+αと子どもの育児コスト程度)に抑えることでバランスを取れます。
Q2. 子どもが独立したら生命保険は解約すべきですか?
A. 子育てが終われば死亡保険の必要保障額は大幅に減少します。
定期保険の場合は保険期間が終われば自動的に終了しますが、終身保険の場合は解約または減額を検討しましょう。
老後は配偶者への保障と葬儀費用程度の小額保障で十分なケースが多いです。
Q3. 生命保険料控除で節税になりますか?
A. 生命保険料控除は年間最大12万円(一般・医療・個人年金の各区分で最大4万円ずつ)の所得控除が受けられます。
所得税率20%なら最大2.4万円の節税効果がありますが、高額な保険料を払うだけで大きな節税にはなりません。
節税目的ではなく、必要な保障を確保するために加入することが重要です。
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この記事を書いた人
三上 はるか
FP(2級ファイナンシャルプランニング技能士)・保険ライター
2級FP技能士資格保有。共働き世帯・子育て世帯の保険見直しを専門に、医療保険・がん保険・生命保険・収入保障保険の情報を10年以上発信。
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