子育て中は何かと出費がかさみ、保険にかけられる予算も限られています。「全部の保険に入りたいけど保険料が払えない」という悩みを解決するために、本記事では子育て世帯が限られた保険料で最大の保障を得るための「優先順位」を解説します。
子育て世帯に必要な保険の考え方
子育て世帯で保険を選ぶ際の基本的な考え方は「家族の生活を守るための保険を優先する」ことです。
親が万一の際に子どもの生活・教育費が確保できるかどうかが最重要であり、次に親自身の病気・ケガへの備えを整えます。
優先度① 死亡保険(収入保障保険):最重要
子どもが小さいうちは、主な収入源である親が亡くなった場合への備えが最優先です。
特に「収入保障保険」は、亡くなった後に毎月一定額(例:月20〜30万円)が子どもが独立するまで支払われるタイプで、家族の生活費の補填に最も適しています。
収入保障保険の月額保険料目安(月額20万円・60歳満了)
| 加入年齢 | 男性の月額 | 女性の月額 |
|---|---|---|
| 30歳 | 2,000〜3,500円 | 1,200〜2,200円 |
| 35歳 | 2,500〜4,500円 | 1,500〜2,800円 |
| 40歳 | 3,500〜6,000円 | 2,000〜4,000円 |
優先度② 医療保険:夫婦両方で加入
子育て中の親が入院・手術になった場合、治療費の負担だけでなく「育児・家事ができなくなる」という問題も生じます。
ベビーシッター代・家事代行費用なども必要になるため、入院給付金に加えて入院一時金型の保障があると便利です。
夫婦それぞれが月1,500〜3,500円程度の医療保険に加入しておくと、最低限の保障が確保できます。
特に女性は出産・婦人科系疾患のリスクがあるため、女性疾病特約付きの医療保険も検討しましょう。
優先度③ がん保険:子育て世代のリスクに備える
がんは現代の日本人の2人に1人が罹患すると言われています。
子育て中にがんと診断されると、治療費の負担に加えて就労が難しくなり家計に大きなダメージを与えます。
がん診断一時金100〜200万円があれば、治療期間中の生活費をカバーできます。
優先度④ 就業不能保険:長期療養への備え
死亡よりも実はリスクが高いのが「長期の就業不能」です。
がん・うつ病・脳卒中などで長期間働けなくなった場合、傷病手当金(最長18ヶ月)では足りないケースもあります。
就業不能保険は月額10〜20万円の給付金で生活費を補填できるため、子育て世帯にも重要な保険です。
子育て世帯の保険料:月額の目安
💡 子育て世帯(35歳・子ども1人)の保険料の目安
- 収入保障保険(夫):約3,000〜5,000円
- 収入保障保険(妻・専業主婦の場合は少額):約1,500〜2,500円
- 医療保険(夫):約2,500〜4,000円
- 医療保険(妻):約2,500〜4,000円
- がん保険(夫婦合計):約3,000〜6,000円
- 合計目安:月12,500〜21,500円
保険料を節約しながら必要な保障を確保する方法
保険を選ぶ際は「保険料の安さ」と「保障の手厚さ」のバランスが重要です。
まず自分の家計で毎月無理なく払える保険料の上限を決め(手取り収入の5〜7%が目安)、その範囲内で必要な保障を最大化する商品を選びます。
保険料を抑える方法として、
- ①ネット専業の生命保険会社を利用する(対面型より20〜35%割安のケースが多い)、
- ②非喫煙者割引を活用する、
- ③健康体割引(BMI・血圧等の条件を満たす場合)を活用する、
- ④不要な特約を外してシンプルなプランにする、といった方法があります。
また、複数の保険を重複して加入している「過剰保険」の見直しも重要です。
一括比較サービスで現在の保険と他社プランを比較することで、同等の保障をより安く実現できることがあります。
保険加入前に確認すべき公的保障の活用
民間保険を検討する前に、公的保障制度の活用状況を確認することが重要です。
会社員・公務員であれば、
- ①健康保険の高額療養費制度(月の医療費自己負担に上限あり)、
- ②傷病手当金(病気・ケガで休業時に最長1年6ヶ月、標準報酬の2/3を支給)、
- ③遺族厚生年金(死亡時に遺族が受け取れる年金)、
- ④介護保険(40歳以上が対象の公的介護給付)といった制度があります。
これらの制度でカバーできる範囲を把握したうえで、「カバーできない部分」を民間保険で補う設計が合理的です。
公的保障が手厚い会社員世帯では、自営業者に比べて民間保険の必要額が少なくなるケースが多いです。
保険の見直しで家計を最適化する:共働き世帯のチェックリスト
保険の見直しでは、以下のチェックリストを活用しましょう。
- ①現在加入している保険の一覧を作成し、保険料・保障内容・満期を整理する。
- ②各保険が「誰の・何のリスク」に対応しているかを確認し、重複や漏れを把握する。
- ③ライフステージの変化(出産・住宅購入・子どもの独立)で必要な保障が変わっていないか確認する。
- ④同等の保障が他社でより安く得られないか、一括比較サービスで確認する。
- ⑤解約や切り替えを検討する場合、「解約返戻金の有無」「新規加入時の健康告知」「保険料の変化」を事前に確認する。
保険料の節約額が月3,000〜5,000円でも年間3.6〜6万円、10年で36〜60万円の差になります。
定期的な見直しは家計改善の重要な一手です。
共働き世帯が陥りやすい「保険の罠」4選
共働き世帯が保険選びで陥りやすい失敗パターンを4つ紹介します。
- ①夫だけに保険をかける:妻もフルタイム就労の場合、妻の収入喪失リスクも同様に考慮が必要です。
- ②貯蓄型保険の過剰加入:終身保険・養老保険は保険料が高く資産形成効率が低いケースがあります。
NISAやiDeCoと比較検討しましょう。 - ③特約の積み重ね:主契約に多数の特約を付加すると保険料が膨らみます。
必要な保障を単体の保険でシンプルに揃える方が割安なことがあります。 - ④更新型保険の保険料上昇を見落とす:10年更新型保険は更新時に保険料が大幅に上昇します。
長期で見ると割高になりがちです。
これらの罠を避けるため、加入前に複数社の比較と専門家への相談を組み合わせることをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q1. 子ども自身の保険(子ども保険・学資保険)も必要ですか?
子どもの教育費の貯蓄は学資保険よりも低コストのNISA・児童手当の積立でまかなえることが多いです。
学資保険は返戻率が低い商品も多いため、まず親の保障を整えてから検討しましょう。
Q2. 子育て中は保険料を抑えるべきですか?
子育て期間は出費が多く家計が厳しいため、保険料は必要最低限に抑えることが重要です。
特に優先度の低い貯蓄型保険は後回しにして、死亡・医療・がんの掛け捨て保険に絞るのがおすすめです。
Q3. 子どもが独立したら保険の見直しが必要ですか?
子どもが独立したら、死亡保険の必要額が大幅に減るため見直しが必要です。
収入保障保険や高額の定期保険は解約・縮小してコストを下げ、医療・がん保険に集中するのが60代以降の正しい保険設計です。
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保険を検討する前に知っておきたい疑問
保険を選ぶ際に最初に確認すべきことは何ですか?
まず「誰のために・何のために・いくら必要か」を明確にしましょう。保険は目的別に設計するものです。死亡保障・医療保障・老後資金など目的を整理した上で、必要な保障額を計算することが重要です。
保険の見直しはどのタイミングで行うべきですか?
結婚・出産・住宅購入・子どもの独立・定年退職など、ライフイベントの変化時が見直しの好機です。一般的に3〜5年ごとの定期見直しをFPは推奨しています。
保険料が家計を圧迫している場合どうすればいいですか?
まず現在の保障内容を整理し、重複している保障・不要な特約を外すことで保険料を下げられます。公的保険(健康保険・雇用保険・労災)でカバーされる範囲を把握し、民間保険との役割分担を明確にしましょう。
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この記事を書いた人
三上 はるか
FP(2級ファイナンシャルプランニング技能士)・保険ライター
2級FP技能士資格保有。共働き世帯・子育て世帯の保険見直しを専門に、医療保険・がん保険・生命保険・収入保障保険の情報を10年以上発信。
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