個人年金保険はいらない?共働き世帯の老後資金判断基準|iDeCoとの比較で整理

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「個人年金保険はいらない」という意見が増える一方、「老後の確実な収入源として加入している」という方も多くいます。共働き世帯は公的年金を夫婦2人分受け取れるため、老後資金の状況が単身・片働き世帯とは異なります。iDeCoやNISAとも比較しながら判断しましょう。

共働き世帯の公的年金——2人分受け取れる強み

共働き夫婦が老後に受け取れる公的年金の試算(夫婦ともに平均的な会社員の場合):

  • 夫の老齢基礎年金:約78万円/年(満額)
  • 夫の老齢厚生年金:約90〜120万円/年
  • 妻の老齢基礎年金:約78万円/年(満額)
  • 妻の老齢厚生年金:約60〜90万円/年

合計:年間306〜366万円(月25〜30万円)の年金収入が見込めます。片働き世帯の約180〜220万円/年に比べて格段に多く、生活費の大部分を公的年金でカバーできる可能性があります。

個人年金保険が「いらない」と言われる5つの理由

  1. 共働き世帯は公的年金が手厚い——夫婦2人分の厚生年金で老後の生活費は概ねカバーできる
  2. 利回りが低い——現在の個人年金保険の予定利率は0.1〜1%程度。インフレが続けば実質的に目減りする
  3. 途中解約で元本割れ——10年以内の解約は払込保険料を大きく下回ることが多い
  4. NISAの方が有利な場合が多い——つみたてNISAの期待リターンは3〜7%で、個人年金保険より高い可能性
  5. インフレリスク——確定した金額を受け取る個人年金は、将来のインフレで実質価値が下がる

個人年金保険が「必要」なケース

  1. 自力での貯蓄・投資が続けられない人——保険料という強制的な仕組みで老後資金を積み立てられる点が最大の強み
  2. 確定した老後収入が欲しい人——投資リスクを取りたくない、将来受け取る金額を確定させたい場合
  3. 節税効果を活かしたい——個人年金保険料控除(最大4万円の所得控除)の効果は所得が高いほど大きい
  4. 退職後〜公的年金受給開始までの繋ぎ資金——60歳定年〜65歳年金開始の5年間の生活費として活用

個人年金保険 vs つみたてNISA——比較表

項目個人年金保険つみたてNISA
利回り(目安)0.1〜1.0%(確定)3〜7%(期待値・変動)
元本保証あり(払込完了後)なし
途中解約元本割れリスクありいつでも可能(損失可能性あり)
節税効果生命保険料控除(最大4万円控除)運用益が非課税
インフレ対応弱い(固定額受取)強い(資産が増えれば実質価値維持)

iDeCo(確定拠出年金)との比較——節税効果で圧倒

個人年金保険の代替としてiDeCo(個人型確定拠出年金)も有力です。掛金が全額所得控除になるため節税効果が段違いです。

項目個人年金保険iDeCo
節税効果最大4万円の所得控除(税軽減6,000〜8,000円程度)掛金全額が所得控除(年収500万円で年最大約43,200円の節税)
運用保険会社が運用(固定利率)自分で選択(元本確保型〜株式型)
引き出し制限年金として受取(60〜65歳〜)60歳以降のみ(途中引き出し不可)

共働き世帯の老後に本当に必要な備え

共働きで公的年金が手厚くても、以下の費用は別途備えが必要です:

  • 医療・介護費用:夫婦合計で500〜1,000万円程度
  • 住宅リフォーム・修繕費:100〜300万円程度
  • 退職〜年金受給開始までの繋ぎ資金(60〜65歳)

まとめ:共働き世帯の個人年金保険判断基準

  • iDeCoを上限まで活用していない → iDeCoを優先(節税効果が圧倒的)
  • 投資リスクを取りたくない → 元本確保型のiDeCoか個人年金保険で確定利回りを確保
  • 自力貯蓄が難しい → 個人年金保険の強制貯蓄機能を活用
  • 夫婦2人分の公的年金で生活費をカバーできる見込みあり → 個人年金保険の優先度は低い
  • 退職後5年間の繋ぎ資金が必要 → 個人年金保険の受取開始時期を60歳に設定して活用
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峯俊友弥(みねとし ともや)

生命保険会社 システム部門勤務

保険会社の内側でシステムと業務の両面から保険の仕組みに関わってきた経験をもとに執筆。特定商品の推奨は行わず、公的保障との兼ね合いから「本当に必要な保険だけ選ぶ」情報を発信しています。→ 運営者情報はこちら

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