ご注意:本記事は一般的な情報提供を目的としています。特定の保険商品の加入を一律に推奨するものではありません。公的保障、勤務先制度、家計状況、預貯金を確認したうえで判断してください。
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「医療保険は健康保険があれば不要」という意見があります。実際、日本の公的医療保険制度は充実しており、民間の医療保険が本当に必要かどうかは判断が難しいところです。本記事では、医療保険がいらないと言われる理由と、それでも加入すべきケースを解説します。
健康保険(公的医療保険)で実際にどこまでカバーできるか
高額療養費制度の仕組み
日本の健康保険には「高額療養費制度」があります。1か月の医療費自己負担が一定額を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。自己負担の上限額は所得によって異なり、一般的な所得の方(標準報酬月額28〜50万円)の場合、月約8〜9万円が上限となります。
つまり、手術や入院が必要になっても、1か月あたりの自己負担は最大でも8〜9万円程度に抑えられます。これは「医療保険がいらない」と言われる最大の根拠です。
傷病手当金・出産手当金の存在
会社員・公務員が加入する健康保険には、病気やけがで働けなくなった場合に給与の約3分の2が最長1年6か月支給される「傷病手当金」があります。また、出産の際には「出産手当金」も支給されます。
これらの制度が整っているため、会社員であれば医療保険がなくても収入の急激な減少はある程度防げます。
医療保険がいらないと言われる具体的な理由
①高額療養費で自己負担が抑えられる
前述のとおり、月の医療費自己負担は最大でも8〜9万円程度。年間でも100万円を超えることはほぼなく、ある程度の貯蓄(100〜200万円程度)があれば自己負担に対応できます。
②保険料総額が給付金を上回るケースがある
医療保険の保険料を30年間支払い続けた場合、総支払額は200〜400万円になることもあります。一方、入院・手術の給付金を合計しても、保険を使わない健康な方は保険料を「損」することになります。自分が健康であれば、その保険料を貯蓄・投資に回す方が資産形成の観点からは合理的な場合があります。
③平均入院日数の短縮
厚生労働省のデータによると、病気による平均入院日数は近年大きく短縮されています。一般病棟では平均16日程度(2022年)で、かつての長期入院前提の医療保険設計とは状況が変わっています。短期入院であれば、入院給付金より自己負担額の方が少ないケースも多くなっています。
それでも医療保険が必要なケース
①貯蓄が少なく緊急時の資金がない場合
高額療養費制度があるとはいえ、入院には食事代・差額ベッド代・交通費など公的保険でカバーされない費用が発生します。これらを含めると1か月の入院で10〜20万円かかるケースも珍しくありません。貯蓄が100万円未満の方にとっては、医療保険で備えることも有効な選択肢です。
②自営業・フリーランスで傷病手当金がない場合
国民健康保険には傷病手当金制度がありません(一部自治体を除く)。自営業やフリーランスの方は、病気やけがで働けなくなると即座に収入がゼロになります。医療保険の入院給付金や就業不能保険で備えることが特に重要です。
③がん・三大疾病への不安が強い場合
がんの治療は長期化しやすく、抗がん剤・放射線治療・免疫療法などが続く場合、高額療養費制度を使っても月8〜9万円の自己負担が数か月続くことがあります。特に先進医療は公的保険の対象外のため、全額自己負担となります。がん保険の必要性についても合わせて確認しましょう。
④差額ベッド代・先進医療費用が心配な場合
個室や少人数部屋(差額ベッド)を希望する場合、1日あたり5,000〜1万5,000円の追加費用が発生します。また、先進医療技術(重粒子線治療など)は1回あたり数十万〜300万円以上かかる場合があります。これらは公的保険でカバーされないため、医療保険の特約で備える方法もあります。
医療保険の選び方と見直しのポイント
シンプルな保障で保険料を抑える
医療保険に加入する場合は、必要な保障に絞ってシンプルに設計することが基本です。入院日額・手術給付金・先進医療特約の3点セットを基本とし、不要な特約は付けないことで保険料を抑えられます。月3,000〜5,000円程度の保険料で基本的な保障をカバーできる商品も多くあります。
定期的な見直しが重要
医療保険は加入したまま放置せず、ライフステージに応じて定期的に見直すことが大切です。特に50代以降の保険見直しでは、貯蓄状況や健康状態を踏まえた最適な保障設計を検討しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 高額療養費制度があれば医療保険はいらないですか?
十分な貯蓄(100万円以上)がある会社員であれば、医療保険なしで対応できるケースも多いです。ただし、差額ベッド代・先進医療費・収入減少リスクは公的保険でカバーされないため、個人の状況によって判断が必要です。
Q2. 医療保険に入らないとどのくらいリスクがありますか?
1か月の入院で自己負担は高額療養費込みで15〜25万円程度が目安です。これを複数月繰り返す可能性のある病気(がん・心疾患など)の場合、年間100万円以上の自己負担になることもあります。貯蓄で対応できるかどうかが判断基準です。
Q3. 自営業の場合、医療保険は必要ですか?
自営業・フリーランスは傷病手当金がないため、入院・療養中は収入がゼロになるリスクがあります。医療保険の入院給付金や就業不能保険を組み合わせた備えが特に重要です。収入保障の観点から、医療保険単体よりも就業不能保険との組み合わせも検討しましょう。
insure-check編集部 主任ライター・監修者。FP(ファイナンシャルプランナー)2級・生命保険募集人資格保有。保険業界・金融メディアに通算12年以上携わり、生命保険・医療保険・がん保険を専門とする。金融庁・生命保険文化センターの公的データをもとに中立・客観的な情報提供をモットーとする保険専門ウェブメディア「INSURE CHECK」の創設メンバー。年間100本以上の記事監修・執筆を担当し、家計改善・保険見直し相談の実務経験を情報発信に活かす。【保有資格】FP2級(AFP)、生命保険募集人(一般・変額)、損害保険募集人

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