生命保険はいらない?子育て中の共働き世帯が保障を見直す基準と必要保障額の考え方

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子育て世帯にとって生命保険は「必須」と思われがちですが、本当に必要かどうかは家族構成・収入構造・貯蓄額・既存の保障によって大きく異なります。感情論ではなく、数字で考えることが最適な判断につながります。

子育て世帯が生命保険を必要とする根拠

生命保険が最も重要な局面は「まだ子どもが経済的に自立していない時期に、主な稼ぎ手が死亡した場合」です。この時期に遺族が生活を維持するために必要な資金(遺族必要保障額)を計算すると、数千万円になることが多いです。

遺族に対する公的保障——意外と充実している

民間の生命保険を検討する前に、公的な遺族保障を把握することが重要です:

公的保障の種類内容受給条件
遺族基礎年金子がいる配偶者または子に支給18歳未満の子がいる場合
遺族厚生年金厚生年金加入者の遺族に支給会社員・公務員の遺族
死亡一時金国民年金保険料を3年以上納付した場合遺族年金非受給者

たとえば年収500万円の会社員(35歳)が死亡した場合、子ども2人(5歳・3歳)がいる配偶者が受け取れる遺族年金は月額約20万〜23万円程度(遺族基礎年金+遺族厚生年金の合計)になる場合があります。

子育て世帯の必要保障額の計算方法

必要保障額 = 遺族に必要な生活費の総額 ー 公的保障の総額 ー 貯蓄・資産

具体的な計算例:

  • 遺族の生活費:月25万円 × 25年(末子が22歳になるまで)= 7,500万円
  • 住宅ローン残高:2,500万円(団信で消滅)→ 差し引き0円
  • 遺族年金:月20万円 × 25年 = 6,000万円
  • 配偶者の就労収入(パート):月10万円 × 20年 = 2,400万円
  • 現在の貯蓄:500万円

必要保障額 = 7,500万円 ー 6,000万円 ー 2,400万円 ー 500万円 = ▲1,400万円(不足なし)

このケースでは理論上、民間の生命保険がなくても遺族は生活できます。ただし「子どもの教育費」「配偶者の老後資金」などを追加で考慮すると必要保障額が出てくるケースがほとんどです。

生命保険が「いらない」と判断できるケース

  1. 共働きで配偶者も安定収入がある——片方が死亡しても、残された側の収入で生活を維持できる
  2. 住宅ローン団信加入済み——ローン残高が死亡時に消滅するため、住居費の心配が不要
  3. 十分な金融資産がある(3,000万円超)——遺族年金と資産で十分に生活できる
  4. 子どもがもうすぐ独立する段階——保障が必要な期間が短くなっている

子育て世帯に適した生命保険の選び方

子育て世帯に生命保険が必要な場合、定期保険(収入保障保険)が最もコストパフォーマンスに優れています。

保険の種類特徴子育て世帯への適合度
収入保障保険毎月一定額を保険期間中支払(年金型)★★★★★ 最適
定期保険一定期間の死亡保障(一時金型)★★★★ 適している
終身保険一生涯の死亡保障(貯蓄性あり)★★ 保険料が割高
養老保険満期時に生存保険金あり★ 現代では割高

収入保障保険が子育て世帯に最適な理由

収入保障保険は死亡時に毎月一定額(例:月20万円)を保険期間終了まで受け取れます。子どもが小さいほど受取期間が長くなるため、実際に必要な保障額に連動します。一時金型の定期保険より保険料が30〜50%安いことが多いです。

  • 例:35歳男性・月20万円・65歳満期 → 保険料月額2,500〜4,000円程度
  • 子どもが独立するまでの期間(末子22歳)に合わせた設定が合理的
  • 逓減型を選べばさらに保険料を抑えられる

専業主婦(夫)にも生命保険は必要か

専業主婦(夫)の死亡では遺族厚生年金は少額(または非該当)ですが、家事・育児サービスの代替コストが発生します。保育士・家事代行・学童費用などを考えると、月10〜15万円の保障でも備えとして意味があります。ただし保険料との費用対効果を検討したうえで判断しましょう。

まとめ:子育て世帯の生命保険の考え方

  • まず公的遺族保障(遺族年金)の金額を確認する
  • 遺族必要保障額を「遺族費用 ー 公的保障 ー 資産」で計算する
  • 不足額があれば収入保障保険か定期保険でカバーする
  • 終身保険・養老保険は保険料が割高で子育て世帯には非推奨
  • 子どもの独立と同時に保険の見直し・解約を検討する
👤

峯俊友弥(みねとし ともや)

生命保険会社 システム部門勤務

保険会社の内側でシステムと業務の両面から保険の仕組みに関わってきた経験をもとに執筆。特定商品の推奨は行わず、公的保障との兼ね合いから「本当に必要な保険だけ選ぶ」情報を発信しています。→ 運営者情報はこちら

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