医療保険はいらない?共働き世帯の判断基準|必要・不要を5分で確認【チェックリスト付き】

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共働き世帯において「医療保険はいらない」という主張が増えています。その根拠は傷病手当金の存在と公的医療保険の充実度にあります。しかし全ての共働き世帯に同じ答えが当てはまるわけではなく、雇用形態・貯蓄額・家族構成によって判断は異なります。

共働き世帯の最大の強み——傷病手当金

会社員(健康保険加入者)が病気・ケガで4日以上仕事を休んだ場合、標準報酬日額の2/3が最長1年6ヶ月支給されます。これが「傷病手当金」です。

月収傷病手当金(月額)会社員との差額
25万円約16.7万円/月▲8.3万円/月
35万円約23.3万円/月▲11.7万円/月
50万円約33.3万円/月▲16.7万円/月

共働きで配偶者にも収入がある場合、片方が入院しても世帯収入の落ち込みは傷病手当金との差額(月収の約33%)だけです。世帯月収60万円の夫婦であれば、一方が入院中も傷病手当金20万円+配偶者収入30万円=50万円が入る場合があります。生活費・住宅ローン・治療費を十分カバーできる世帯は少なくありません。

高額療養費制度——1ヶ月の医療費自己負担に上限がある

公的医療保険の高額療養費制度により、1ヶ月の医療費自己負担には所得に応じた上限が設けられています。

年収目安1ヶ月の自己負担上限
〜約370万円57,600円
約370万〜770万円80,100円+α
約770万〜1,160万円167,400円+α

年収500万円の会社員であれば、いかに高額な治療を受けても1ヶ月の自己負担は約8〜9万円に抑えられます。複数月にわたる治療でも3ヶ月目以降は「多数回該当」でさらに上限が下がります。

医療保険が「いらない」と判断できる共働き世帯の4条件

  1. 夫婦ともに正社員(傷病手当金の対象)——入院・休業中も月収の2/3が補填される
  2. 流動資産200万円以上ある——高額療養費後の自己負担(月8〜15万円)を数ヶ月分カバーできる
  3. 住宅ローンに団信(三大疾病特約付き等)が付いている——がん・重病時にローン残高が消滅し住居費がゼロになる
  4. 子どもがいないか、自治体の医療費助成対象年齢以内——子どもの医療費が無償化されている場合、追加的な子育て費用が抑えられる

医療保険が「必要」と判断すべき共働き世帯のケース

  1. どちらかがパート・非正規(傷病手当金なし)——非正規雇用のパートナーが入院した場合、その分の収入がゼロになります。傷病手当金がないため医療保険で収入補填の役割を持たせる意義があります
  2. 貯蓄が100万円未満——急な入院で高額療養費の自己負担限度額すら捻出困難になるリスクがあります
  3. がん・難病の家族歴がある——遺伝的リスクが高く、長期治療(1年6ヶ月超)で傷病手当金の支給期間を超える可能性があります
  4. 住宅ローンが重く家計の余裕がほとんどない——固定費が高く、収入の一部が欠けただけで生活が立ちゆかなくなる世帯

「医療保険より投資」という考え方の検討

共働き世帯の一部では「医療保険料をNISAで運用する方が合理的」という考えが広まっています。月3,000円の保険料を30年間・年利5%で運用すると約250万円になります。一方、医療保険の生涯払込総額は108万円ですが、入院給付金の期待値はそれを大きく下回るのが統計的実態です。

ただしこの考え方には注意点もあります。投資には元本割れリスクがあり、必要な時に資産が目減りしている可能性もあります。また精神的な安心感という保険固有の価値も無視できません。家族のリスク許容度・貯蓄進捗・家族構成のバランスで判断することが重要です。

共働き世帯が医療保険を選ぶ際のポイント

チェックポイント推奨内容理由
入院給付金の日額5,000〜7,000円傷病手当金が補填されるため高額不要
通院給付金付帯推奨がん・生活習慣病は外来中心に移行
先進医療特約月100〜200円で付帯推奨陽子線・重粒子線治療(約300万円)への備え
保険期間終身型(保険料固定)更新型は高齢時に保険料が急増するリスク
払込方式終身払(月払)短期払は割安だが家計への初期負担が大きい

先進医療特約だけ付帯する選択肢

「医療保険は不要だが先進医療だけ備えたい」という場合、既存の医療保険や生命保険に先進医療特約を追加する(月額100〜200円程度)だけという選択肢もあります。陽子線・重粒子線治療などの先進医療は公的保険適用外で技術料が300万〜350万円にのぼるため、この特約のコストパフォーマンスは非常に高いです。

まとめ:共働き世帯の医療保険判断チェックリスト

  • ☑ 夫婦ともに正社員で傷病手当金の対象か確認した
  • ☑ 高額療養費の自己負担上限額(所得区分)を把握した
  • ☑ 流動性の高い貯蓄が200万円以上あるか確認した
  • ☑ 住宅ローンの団信内容(三大疾病・がん特約等)を確認した
  • ☑ パートナーの雇用形態と傷病手当金の有無を確認した
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峯俊友弥(みねとし ともや)

生命保険会社 システム部門勤務

保険会社の内側でシステムと業務の両面から保険の仕組みに関わってきた経験をもとに執筆。特定商品の推奨は行わず、公的保障との兼ね合いから「本当に必要な保険だけ選ぶ」情報を発信しています。→ 運営者情報はこちら

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